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美女ジャケハンター第19回 ツッこめてナンボな「美女ジャケ」の魅力


           

私が所有している美女がジャケットに映ったレコード、通称「美女ジャケ」を
毎週捕獲(購入)した順番にご紹介していますが、今回はどうしても早々に取り上げたかった作品、ポール・モーリアの「イージーリスニング・カスタム・コレクション」についてご紹介します。

          

           

◆「イージーリスニング・カスタム・コレクション」について

ポール・モーリアの「イージーリスニング・カスタム・コレクション」(1971年リリース)

1. 恋はみずいろ
2. この胸をときめきを
3. ミシェル
4. ララのテーマ~「ドクトル・ジバゴ」
5. 男と女
6. 輝く星座
7. ヘイ・ジュード
8. ミセス・ロビンソン
9. ジュ・テーム
10. サバの女王
11. エーゲ海の真珠
12. 黒いワシ
13. 雨にぬれても~「明日に向って撃て」
14. 雨の訪問者
15. レット・イット・ビー
16. 明日に架ける橋
17. マイ・スウィート・ロード
18. ある愛の詩
19. 雪が降る
20. ラスト・ワルツ

          

ポール・モーリアの作品は母国のフランス、アメリカ、そして何故か日本で絶大な人気があったらしく、国内盤だけで200近い作品がリリースされているそうです。大半は、オリジナルアルバムのままでは発表されず、複数のアルバムから再構成したり、各国から依頼された特別録音を追加するなどして、国内市場向けに編成し直した作品が多いとWikipediaに書かれています。

今回ご紹介する「イージーリスニング・カスタム・コレクション」はPHILIPSレーベル「カスタム20」シリーズの1枚として発売されており、ポール・モーリアの「カスタム20」だけでも4パターン出ている事が分かりました。

          

◆「イージーリスニング・カスタム・コレクション」と私

↑我が家の「イージーリスニング・カスタム・コレクション」です。280円で購入しましたが非常にいい眺めの美女ジャケです!

                

そろそろ新しいムードミュージックのレコードを調達しようと思い、オークションサイトを2つ程確認しました。4日前の出来事です。

そこで見たのは「イージーリスニング・カスタム・コレクション」をこぞって売りに出している光景でした。価格帯は様々ですが、自分が持っているコレクションを多くの人が売りに出していると少し悲しくなります……。

↑ジャケット内にしっかり解説ページが付いてる仕様ですが、何分の曲かは載っていないDJ泣かせの解説書です。

        

確かに私もビートルズのカバー曲やバート・バカラックのカバー曲ばかりを流すパーティ以外で使用した事がないのですが、一斉に売りに出す必要はないんじゃない……?とシュンとしてしまいました。

どちらの盤面もギッチギチに10曲ずつ入った、音質を疑う作品かもしれませんが、ムードミュージックはそこが良いんです!
「恋はみずいろ」冒頭の主旋律がウザいほど「トリル」を決め込んでいます。
そういうわざとらしいポイントを聞かずにムードミュージックの何を聞くのでしょう。特に「イージーリスニング・カスタム・コレクション」は選曲の偏りも含め、「ツッコミポイント」が十二分にあるのです。

ポール・モーリアのカバー曲は他のイージーリスニングと違ってふんわりと盛り上げるアレンジが施されている印象があります。
サビに向けてグワーっと盛り上げる音量のアップダウンはありますが、主旋律を奏でる楽器やストリングスが優しいサウンドなので、時に「ぽやぁ〜」っとしてしまう事があります。その辺り、他のムードミュージックと聞き比べてから売りに出しているのでしょうか。私は売りに出す前に今一度、「イージーリスニング・カスタム・コレクション」の良さとツッコミどころを辿るべきだと思います。

国内向きの再構築されたアルバムなので、もちろんサブスクリプションにはありません。取り合いにならないぐらいオークションで出品されていますので、あえて捕獲してレコードで聞いてみて下さい。必ず2回はニヤっとしますので。

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