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美女ジャケハンター第7回 DJイベント「ムード盤魔殿」潜入レポート


               

私が所有している美女がジャケットに映ったレコード、通称「美女ジャケ」を
毎週捕獲(購入)した順番にご紹介していますが、今回は特別編です。

先日、レコードショップの「その他」コーナーに置いているジャンルに特化したDJイベント「ムード盤魔殿」にお招きいただきました。

持ち寄ったレコードコレクションを座ってじっくり聞きながら、
現状の「その他」の音楽や特化して売っているレコードショップの話をしていると、気付けば情報共有の場になっていました。

「美女ジャケ」の観点でも非常に有意義だったので、今回はこちらのイベントレポートをお送りします。

今年の夏、川崎レジデンツさんにお招きいただいたイベントで
今回のイベントオーガナイザー 剛田武さんと初めてお会いました。

10インチだけだと思っていたレコード「夜の寝室〜魅惑のムード〜」の12インチを剛田さんが持っていてビックリ!
思わず一緒に写真を撮っていただきました。
暗い照明のお店だったので少し分かりにくいですが、下記写真の左が私の所有している10インチ、右が剛田さんの12インチです。

この出来事がきっかけで、今回のイベントが開催されました。

       

▶︎DJ Manticore(剛田武)

そして今回も「夜の寝室〜魅惑のムード〜」を持って来てくれました。
私もあえて持ってきており、みんなでジャケット裏面を見比べ。私のレコードは4曲ほどカットされている事を改めて確認しました。

過去にご一緒した際も気になるレコードを沢山プレイされていましたが
今回気になったのは「魅惑のエレクトーン」です。

前回コラムにも書きました「Switched-On Bach」発表以降のMoogシンセイサイザーが他の鍵盤楽器にどの様な影響を与えたか?
「魅惑のエレクトーンは」は1970年以降の作品との事ですが、こちらを聞いて
楽器自体の機能、演奏者の技術面、作品への組み込み方がどう変化したか、探る必要があるかと思いました。来年の研究題材となった「美女ジャケ」です。

              

▶︎DJ Silence(宇田川岳夫)

宇田川さんのプレイはエキゾチカと他音楽との融合でした。
アーサー・ライマンやマーティン・デニー、そして私が「やんちゃエキゾ」と勝手に呼んでいるアーティスト、エスキヴェルです。素晴らしい!
エスキヴェルの作品は後の「美女ジャケハンター」でもご紹介しますが
家で聞いても、DJバーで聞かせていただいても、やっぱりストリングスの抑揚が0か5か10という3パターンなハツラツ感でした(笑)
こちらを和洋折衷色々な作品とプレイされるのに物語のように進んでいくのだからうっとり。
2回目の開催もあると伺っているので是非会場で堪能していただきたいです。

私が狙っているガボール・ザボの作品「Dreams」が阿佐ヶ谷で拝めると思いませんでした。しかもこんな近距離で!非常に嬉しい!

             

▶︎なべこ

アンビエントから現代邦楽に入ったと仰られていたなべこさん。
知人から「お琴DJの方」と事前に伺っていたのですが想像を裏切られ、もはやフリージャズ。剛田さんのイベントレポートにも書かれてましたが「和風エキゾチカ」ですね。現代邦楽の「現代」の部分で補われている他楽器がエキゾチックさを醸し出していました。

国内の音楽に最近接する事がめっきり減りましたが、この角度でのアプローチは知らない世界だったし、「エキゾチカ」と「フリージャズ」や「スピリチュアルジャズ」は意外と接点が多いのではないかと感じる40分でした。

なべこさんのMIXCDを購入。
イベントでDJプレイを見るのとまた違う味わいで、お琴の高い音だけではなく、低いじわじわ迫る他の楽器の細かな音までじっくり楽しめる内容でした。

      

▶︎小久保剛

今回のテーマは「かわいいおんがく~子どもたちに贈る~」でした。

小久保さんならではのキッチュだけど、聞き手にメッセージがちゃんと届く40分。耳だけではなく、視覚でも楽しめるDJプレイ。
他方から伺ってはいましたが、ラストのパフォーマンスや各所の細工は驚きも多く、胸が熱くなりました。
小久保さんが過去に出演されているDJバーのマスターの言葉をあえて借りて伝えたいのですが、「小久保劇場」は是非現場で体験していただきたい。

なので当日どんなパフォーマンスが行われたか、具体的に私からはお伝えしません。お話している中で「過去にターンテーブルの上でシンデレラ城を回したよ」と仰られてたのでヒントとして記させていただきます。回るシンデレラ城・・・想像が出来ない(笑)

CDJにおけるCD-Rの役割について改めて考えさせらました。
レコードDJは曲の速さは変えれるけど、一緒に音程も変わってしまう。CDやデータは音程変わらず速度を上げられるなど、機材の種類にもよりますが
レコード、CD、データ、それぞれのDJプレイの中で出来る事と出来ない事があり、その中で長所を生かしてプレイする。
CD-Rはデータなどを買わず、Youtubeなどの音源を無料で録音してDJプレイに使う事も出来ますが、もっとCD-Rでしか出来ないアプローチ方法があるんだという事を今回は学びました。

↑実際のレコードの裏面を見せていただき、情報共有するシーンも多々ありました

        

ジャンルの角度が微妙に違っても、何処かでちゃんと繋がる「その他」ジャンルの音楽たち。
「美女ジャケ」の音楽は大半この「その他」ジャンルに属する訳ですが、まだまだ探究が楽しめるジャンルだという事を再確認出来ました。
情報共有も兼ねた貴重なイベントでした。第2回目も楽しみです。

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