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美女ジャケハンター第2回「去り際の美女」ジャケ


           

第1回目でSergio Mendes & Brasil ’66のジャケットを
私が思う女優やモデル以外の「美女ジャケ」の一例として挙げましたが

……あの短文で私が人生初めて購入したレコード、「Look Around」の話が
片付く訳ないじゃないですか(笑)と、言う事で今週は補足コラムです。
皆様が想像される「美女ジャケ」はまた来週ご紹介します。      

                       

▶︎「Look Around」について

Sergio Mendes & Brasil ’66「Look Around」
1967年リリース 3枚目のアルバム。

1. With A Little Help From My Friends
2. Roda
3. Like A Lover (O Cantador)
4. The Frog (A Rã)
5. Tristeza (Goodbye Sadness)
6. The Look Of Love
7. Pra Dizer Adeus (To Say Goodbye)
8. Batucada (The Beat)
9. So Many Stars
10. Look Around      

      

「Look  Around」リリース時の情報を確認してみると、Brasil ’66と言いながら発売は1967年。

セルジオ・メンデスとなると、日本のファンも多いので
細かな情報やファン的見解がネットで、しかも日本語で繰り広げられているじゃないですか!私の様なポルトガル語や英語もよく分からない、曲以外何も知らない人間には非常に有難い。

熱烈なファンたちの情報によると、ジャケットに写る美女はBrasil ’66の
ポルトガル語が全く分からないシカゴ出身のボーカル「ラニ・ホール」
やっとジャケット表面に写ったかと思いきや、すぐ解雇になったこちらもボーカル「ジャニス・ハンセン」の2人。・・・解雇!?


どうやらこの時のセルジオ・メンデス周辺は過渡期で、とにかくメンバーチェンジが激しかったらしいですね。
解雇されたジャニス・ハンセンの位置付けとしては、
美しい声のラニ・ホールをサポートする女性ボーカルと言ったところ。

ラニはBrasil ’66で度々リリックを書いたり、ラニの声だけを何重にも録音して作られた曲があったりと、グループ内で重要な役回りをしているらしいです。
「メインはラニ!」が顕著のBrasil ’66ですが、ジャニス・ハンセン・・・
一体どんな気持ちで歌っていたのでしょうか。

そして、ジャニス・ハンセンは作品にほとんど登場する事なく
「The Look Of Love」でメインボーカルを務めるも、すぐ表舞台から去る事になります。

    

▶︎「Look Around」と私

↑我が家の「Look  Around」です。再発盤で購入。オリジナル盤も最近はレコード屋などで見かける様になりました。

   

ボッサ・ラウンジ的なサウンドにハマっていた10年前の私にとって
「Look  Around」に出逢うまで時間を要しませんでした。

時代を感じるサウンドは多少しますが
カバー曲を織り交ぜているからか、キャッチーで聞きやすく
オシャレだけど更に上回るキッチュさが私の耳になだれ込んでくるじゃないですか!!
特に「Tristeza」は当時の私にとって衝撃的で、1曲リピートで永遠聞いていました。そこからレコードを購入するまで10年の歳月が経っていたのは驚きですが・・・。

レコード購入時は、感動のあまり何度もジャケを愛でながら聞きました。
ポータブルプレーヤーの使い方やレコードの溝についてよく分からず
「Tristeza」まで毎度1曲目からレコードを流してた私ですが、
1年半経つと人前でDJをしてるのですから人生は何が起きるか分かりません(笑)

更にこの1年の話ですが、
このコラムにも今後登場する予定の作曲家「レス・バクスター」のカバー曲がきっかけでバート・バカラックを知り、イージーリスニングファンの私は早速聞き漁ることになりました。
(現在進行形で聞き漁ってます 笑)
そして早々に辿り着いた曲が「The Look Of Love」です。


「Tristeza」に出逢った20代、ましてやレコードを購入した1年半前は
ノーマークだった「The Look Of Love」。バート・バカラックが作った名曲であり、1967年のチャートを本家以上に盛り上げ
メインボーカルでスポットを浴びるであろうジャニス・ハンセンはヒットの恩恵にあやかる事なく、
Brasil ’66を去ったストーリーがあるなんて知らなかった。
ちなみに、後にリリースされたシングル盤のジャケットにはジャニスの姿はありません。まさにこのジャケットは「去り際」の美女!

ジャニスの歩みや「The Look Of Love」までの発見を考えると、やっぱり人生何が起きるか分からないものだなぁと感じます。今回はこれに尽きる!

      

色っぽく歌う「The Look Of Love」の本家、ダスティン・スプリングフィールドに対し、ジャニス・ハンセンは初恋の様なフレッシュな歌い方。
歌い方、曲のアレンジで歌詞の捉え方や見える情景がまるで違う。
和訳サイトを見ながら聞き比べるとなかなか面白いです。
お時間あれば是非お試し下さい!

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