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美女ジャケハンター第5回 クリスマスと美女ジャケ


     

私が所有している美女がジャケットに映ったレコード、通称「美女ジャケ」を
毎週捕獲(購入)した順番にご紹介しています。
と、思っていたのですが・・・。

順番にご紹介すると、先々週からご紹介している作曲家「レス・バクスター」の作品がしばらく続く事に気付きました。
これではレス・バクスターについて熱く語るコラムになってしまう(笑)

と言うことで、順番をすっ飛ばし
今回は最近捕獲した「ホリデーシーズン」ならではの作品から1枚。

「美女ジャケ」というより
1950年代〜60年代のサバーバンライフ(郊外暮らし)での素敵なクリスマスが
見事に表現された「Christmas With Ronnie Aldrich」をご紹介します。

          

           

◆「Christmas With Ronnie Aldrich」について

Ronnie Aldrich And His Two Pianos With The Strings Of The London Festival Orchestraの「Christmas With Ronnie Aldrich」(1964年リリース)

1. White Christmas
2. Let It Snow, Let It Snow, Let It Snow
3. Have Yourself A Merry Little Christmas
4. Winter Wonderland
5. Silver Bells
6. Toyland From “Babes In Toyland”
7. Sleigh Ride
8. The Christmas Song
9. I’ll Be Home For Christmas
10. By The Fireside
11. Count Your Blessings
12. Christmas Waltz

        

Wikipediaによると、
「His Two Pianos With The Strings Of The London Festival」名義では5枚目の作品との事です。
ジャケット裏面の解説を確認しましたが、
「恋人と過ごすクリスマスのお供にどうぞ!」的な売り文句が少々書いてあるだけ。他は曲目の表記だけで、クリスマスの定番曲が並びます。

イギリスのDECCAレコードが導入した「Phase 4 Stereo」という
マルチ録音を4トラックに収録する、当時としては画期的な方式でレコーディングされた作品です。
ジャケットもPhase 4 Stereoの特徴である「4」をモチーフにしたデザインになってます。

ロニー・アルドリッチの作品と出逢うのは初めてですが、一体どういう人なのでしょうか?
Wikipediaでざっくりと確認したところ、イギリスの音楽家で
この「Phase 4 Stereo」システムでツインピアノの作品を発表してから更に注目された音楽家みたいですね。
ちなみに、ネットで調べるとこれぐらいしか情報が出てきません。
ご存じの方は是非私に教えて下さい・・・。

馬場 敏裕さんが書かれた「イージーリスニング」の本を読むと
ロニー・アルドリッチがどういう作品を残したか、よく分かります。

私にとってバイブル的1冊。ムードミュージック作品の特徴がよく分かる!「美女ジャケの誘惑」と併せて読むと、よりムードミュージックへの理解が深まります。

                   

                        

◆「Christmas With Ronnie Aldrich」と私

↑我が家の「Christmas With Ronnie Aldrich」です。ジャケットを眺めているだけでウキウキ気分に。

       

私の生き甲斐のひとつ。
それは「Phase 4 Stereo」のムードミュージック作品を捕獲する事です。
ただし、DECCAレコードの多くはクラシック作品。
踏み込みすぎると、ムードミュージックを飛び越えてしまうので
捕獲前の確認は必須です。
クラシックも好きなのですが、DJをする際に
ジャズと見事に混ざり合うのがムードミュージック。
クラシックだとジャズと少し分離してしまう気がするので、捕獲する時は気を付けてます。

ムードミュージックのPhase 4 Stereo起用が多い1960年代前半の作品を
狙うようにしているのですが、フランク・チャックスフィールドはじめ
ムードミュージックの音楽家たちは1970年代もPhase 4 Stereoシステムでレコーディングした作品をいくつも残しています。
実はどの時代も目が離せません。

「kpm」のレコードを集めることも生き甲斐のひとつになっていますが、
Phase 4 Stereoはそこまでの作品数はないので、コンプリートしやすい辺りもコレクター心をくすぐります。

そして「Phase 4 Stereo」の作品をオークションで探している時に出会ってしまったのです。
ホリデーシーズンこそ、ムードミュージックの出番でしょ!!
と思うのですが、なかなかムーディなクリスマス作品がオークションに落ちていない中、一際輝いていたのが「Christmas With Ronnie Aldrich」でした。

12月の私のためにあると確信し、即落札。
聞いてみましたがロニー・アルドリッチのツインピアノの艶感もストリングスの美しさもどちらもハッキリ聞こえてキラキラした作品。文句なしです。
ジャケットも素晴らしい!
先ほども書きましたがPhase 4 Stereoが全面に分かる「4」モチーフのデザイン、幸せそうな美女が2人も写り素晴らしいジャケットです。
家やオシャレなBARなどで聞きたくなる、ホリデーシーズンのワクワクを演出する作品です。

いいジャケ出してます!!

Spotifyでも聞けますので、是非クリスマス気分をお楽しみください。
ムードミュージックは時に聞いてて眠くなると仰る方がいますが、それでいいんです。そこがいいんです!
サバーバンライフではないですが、外で頑張ってきた人たちが郊外の我が家に帰り、家でリラックスして聞くための作品ですから。
年末の忙しさを少し忘れ、クリスマスサウンドに身を預けて微睡む時間もまた粋なものです。

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