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火星音楽通信:第4回 満を持してという感じを回避しつつ

こんにちは、火星音楽通信です。第3回は2/19のポストだったということで結構開いてしまいました。5月もはや半ばになってしまいました(笑)

時々こうした音楽を紹介する文章を書いていて、いつも思うのはこんな有名なものを改めて紹介して意味あるのかな?ということです。どこかで誰かがたくさん推薦しているものばかりだし、改めて紹介するという行為も誰かの何かをなぞる行為でしかないのかな?などという部分に思い至ると、そこはかとなく虚しさを感じたりします。

そんなことはさておき今脳内を占めている音楽をどんどん紹介していこうと思います。不思議なもので、一カ月ほど前に紹介したいリストだけは先に作っていてそれを基に書き出したのですが、全く書けない(笑)。やはり今好きなものを数珠繋ぎで書いていく事しかできないようです。一旦そのリストはご破算にして臨機応変に書き綴っていきます。

Live extracts / Stewart walker

まずはテクノに波長が合いました。怪しげなジャケのこちらは長年愛聴しているstewart walkerの”live extracts”です。ミニマルでストイックな世界で、ライヴ音源ですがライン録音なので特にライヴ感がどうのこうの言う意味はないのですが、おそらくタイトルは「ライヴで演奏された」、ということを言いたいのだと思います。

Contact Special / Jeff Mills

Jeff millsは全部の作品が好きというわけではないですが、好きな作品も幾つかあります。むしろコンセプチュアルなものが多すぎてうんざりすることの方が多いのですがこの作品は素直に楽しめました。もったいぶった前奏曲や間奏曲みたいなものもなく、するっとテクノを楽しませてくれます。

Lovebeat / 砂原良徳

オリジナルは2001年ですが、2021年に最適化版!?としてリミックス盤がリリースされました。詳しく資料を読んでみると単なる当時の音源をリミックスしただけではなく、当時の音源を同じmidiで鳴らすなどして一部収録からやり直したりもしているようです。というわけで納得のいく音源を現在のテクノロジーで再収録し、再配置したというもののようです。そういう意味で単にリミックス、と謳っていなかった模様。

私はオリジナルを長く聴いてきたのでもはや正当な評価というのはできないと感じていますが、やはりオリジナルがいいですね。オリジナルはワイドさはなく、音も当時のこれが限界かと思われる枠を感じてしまうもののよくまとまっていて音楽として一体感があるように思います。

Syro / aphex twin

出かける時にaphex twinで一枚持っていけるとしたらこの”syro”を選ぶと思います。なんというかこの人は今やってる感じをそのままコラージュとして出す感覚で作品を作るので(本当にそうなのかは知らない)非常に良いと思います。気まぐれに作り続けている感じなので(主観です)、そのほかの作品も自分のいるフェーズに不意にピタっと合う事があります。いつまでも普段着感覚(主観です)。

Whities 021 / Bambounou

たまたま見つけて聴き続けている作品で、誰のどういう作品なのかとか、来歴は全く分かりません。自分自身もこういう単発的な聴き方が増えて行っている気がします。

Deny / Giash

https://giash.bandcamp.com/album/deny
エクスペリメンタルでグルーヴィーなテクノを聴かせるハンガリーのアーティストです。新しい試みも結構多く、サウンドの幅も広い感じです。コンスタントに精力的に作品発表もされています。

iteritax / cerrot

https://cerrot.bandcamp.com/album/iteritax
nina kraviz主催のレーベルtrip recordingsが全く侮れなくて(当たり前だが)、わりと悉くツボを突いてくる。自分はライブラリから幾つか聴けばすぐに好きなものが見つかる感じです。美人DJみたいな感じの人たちの音楽的センスってどうなの?みたいな見方もすることがありますが、この人は素晴らしいセンスがあるなと感じます(くどいようですが売れてるんだから当たり前ですよね)。

trip recordingsのアーティスト達は全くの新機軸を打ち出す、というよりは既存の高額でもない割と平凡な機材を使ってまだまだテクノを作り続けます、みたいなそういうスタンスに思えます。非常に好もしい居心地の良い感じがあります。

SM​-​LL 0000 / Pokk! (Yves De Mey remix)

https://sm-ll.bandcamp.com/album/sm-ll-0000
テクノって謎に包まれたアーティストが多く、音楽以外の詳細がよくわからない人が多いのですがこれもその一つ。なかなか到達できないミニマルの極致です。

Whities 019 / Overmono

https://overmono.bandcamp.com/album/whities-019
overmonoも詳しくは知らないけど音楽はいいよ、というアーティストです。

さて、次はこちらです
take it or leave it / night life

by sappow
自身のシングルリリースとなります。
2024/5/18リリースです。よろしくお願いします。
マスタリングはueda takayasuさん。

マスタリングのテクスチュアは私が考えたイメージの範囲の中にあればよいと考えていました。でも、彼は(もちろん意見交換しながらですが)私が期待していた以上の仕事をしてくれました。サウンドは何にも似ていない感じなので例えを出すことができません。プリオーダーの段階では’night life’が聴けない状態ですがこちらも瑞々しい感じで、かつ不思議な感覚なので両曲併せてぜひ聴いてみてください。よろしくお願いします。

さて、宣伝も終わったところで、、

というわけで今回はテクノ系ばかりを紹介してきましたが、最後に直近で買ったCDをエンディング・テーマとして紹介します。

Carnaval / Spyro Gyra

若干陰鬱な面もあるテクノに疲れたらリゾート感があるスパイロ・ジャイラがおススメです。いい感じで中和されたら明日もまた元気に働きましょう!ではまた。

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