「幻、Yet To Be。」カバー愛t−

幻、Yet To Be。 / DeVoche a.k.a. monyop

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  • digital
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Included Tracks
曲名 参加アーティスト 使用許諾
幻、Yet To Be。 Ask Me
Phantom, Yet To Be. (instrumental) Ask Me

詳細

現在、個人的に建設中の脳内妄想、近未来ユートピアSF魔法少女小話「ノクターナル・ユーフォリア」の架空のテーマソング。インスト版含めて全2曲。

あらすじ

独立国であった日本が、BRICS諸国を中心としつつ旧中華人民共和国主導で成立した「中華連合国(Chinese Federation of Nations・通称”シフォン”)」へ併合され、「事実上の日本自治区」となって約70年が過ぎた、西暦2099年。連合が開発した完全自律稼働のASIである「神」にほとんどすべてを委ねることを、日本社会は選んだ。あらゆる仕組みは10年足らずでASIにより「最適化」され、過不足も特別な不自由もなくなった社会で人々は安寧に暮らしていた。
そして、人が関わることでようやく機能する不完全なAI、「ジェネレーティブ」は、その併合と時期を同じくして製造も利用も禁じられ、今ではその存在した事実すら人々の記憶からも忘れ去られていた。

20年ほど前、シフォンへの併合以降は全くといっていいほど見かけることもなくなっていた「落書き」が、なんの前触れも声明もなく、連合各国の市中の建物の壁や道路などに忽然と現れるようになった。それらは、時に子どもの落書きのように稚拙で、時にかつて実在した路上芸術家の作品のように巧みだった。
当初は市民も、政府も、「神」でさえも、連合国外からの観光客か誰かの気まぐれないたずらだと判定し、大衆にとって一時的なネット上の話題にこそなりはしたが、やがて気に留められることもなくなり、「システム」によってほとんど自動的に粛々と消されていくノイズの群れにしか過ぎなかった。

「システム」に問題が起きているのではないか、そんな噂が囁かれ始めたのは15年前。それまでほとんど発生しなかったような自動交通網上の重大事故や「人身事故」、工業製品とその製造工程における不可解な不具合の発生など、ありとあらゆる分野で起きる「エラー」発生率の高まりを、「神」も人も認識し始める。
そして、それはちょうどその落書きの発生と共に増えだしていることに、「神」と人が気づくのに時間はかからなかった。その落書きはいつしか「グラフィティ」と呼ばれはじめ、ある種の反政府活動家による意思表示のための芸術工作ではないかと考えられるようになったが、その真意も「エラー」の発生との関連も、依然として未解明のままだった。

ある日。目的特化型ASIが搭載された自動機械「建設者」によって、いつ完成するのか誰にもわからない、知らされないまま、日本自治区の実質的な首都「新浜」の北部に聳える六甲山系に建設中の、軌道エレベーターの巨大な壁にそれは描かれていた。
そして、エレベーターの地上側の頂点、地上端である「上部捕捉塔」と呼ばれる地上から1000mほどの場所に、「成人」したばかりの15歳の少女が潜り込んでいた。
一般市民でしかないその少女が地上端に到達することを見過ごした「システム」は、彼女が自殺志願者である確率を100%と断定したが、報道はされていないはずのその状況が市民の噂としてネットに広まるに至ってなお、救助が実施される気配はなかった。