
sonoに投稿されたイベントの中から注目のパーティー特集!
寂不異音
尺八奏者であり電子音楽家でもある高幡さんによるマシンライブ・モジュラーに特化した毎回大好評の企画「寂不異音」が、2024年7月はなんと2回も開催されます!
7月7日の前日である特別版は「707 -1」と題して7月6日に開催され、この日に合わせて出演者の皆様がRoland mc-707とmc-101を持ち寄りマシンライブを繰り広げるとのこと。
そして7月19日の通常版Vol.16は正統派マシンライブから声や生楽器を使う方までバラエティ豊かなラインナップになっているそうです。
主催の高幡さんに詳しくお話を伺いましたので、「寂不異音」が気になっているという方は是非この特集でしっかり予習してOriental Forceに足を運んでみてください!
寂不異音はどんなコンセプトのイベントですか?また、どのようなきっかけで始められましたか?
高幡: 「寂不異音」は「色不異空、空不異色、色即是空、空即是色」の色不異空をもじったネーミングです。
ミニマル、エクスペリメンタル、アンビエント、民族音楽的な電子中心の音楽についてリズムの間や周波数スペクトラムの空白地帯が実際に鳴っている音よりも重きがあったりするところから静寂と音には違いが無いと言う意図を込めました。 お客様の多くはリスナーであると同時にプレイヤーでもありますので、互いに表現を刺激あえるイベントになればと思っています。
会場の「Oriental Force」ができたばっかりの頃に、なにかお店を盛り立てるイベントを作れないかと考えていまして、ちょうどそのころ同じ高円寺で「東京モジュラーズ」と言うマシンライブ系のイベントが一旦休止することとなりまして、入れ替わりに私が音頭を取ってゆるいイベントを作ろうと思い至りました。
今まで開催してきた中で特に記憶に残っているシーンなどはありますか?
高幡: 外国人観光客が迷い込むと大抵感銘を受けていただけるのですが、自分でもやってみたいという方があらわれ、帰国してしまう前にと、急遽次回のタイムテーブルにねじ込んで彼の初ライブをしていただいたことがあります。
同様に、寂不異音ではじめてマシンライブ演奏にチャレンジと言う方がたくさんおり、シーンが広がるのをうれしく思っています。
高幡さんご自身の音楽活動についても詳しくお聞かせいただけると嬉しいです。
高幡: 私自身は、学生の頃に尺八をはじめ、卒業後は本曲と呼ばれる尺八ソロの古典楽曲にのめり込みました。一方で、ジャズ尺八や現代邦楽という吹奏楽の楽器を和楽器に置き換えたものを友人らがやっており、私としても尺八の現代的アプローチが何かできないか模索していました。
そんなおり、D’n’Bを流しながら本曲の練習をしていたら案外具合が良いと言う発見をしまして、以降、電子音楽と尺八をコラボさせる活動をはじめました。
今は、本格的な古曲のフレーズをかいつまみながらモジュラーやグルボを即興で鳴らす活動をしています。ベースとなる電子音楽のスタイルもそのときの気分で。
今回の見どころについて教えてください!
高幡: 707回は4563さんプロデュースですので、その次の7/19(金)の回についてお伝えします。
寂不異音は、音色を重視するマシンライブのイベントですが、ビートがあったりなかったり、電子楽器の他に声や生楽器を使う方など様々です。
今回も重厚なアンビエントの正統派マシンライブから、ストリングラフィまでバラエティに富んでゆるふわに楽しめるイベントです。演者も観客も互いに刺激を受けてください。
今回の出演者の皆様についてご紹介ください。
7/6(金)開催特別版707-1出演者:
※特別版「707 -1」についてはRoland mc-707かmc-101を使用する指定があるため、各出演者の使用機材も紹介しています。
4563(しがらみ)
使用機材:mc-707
90年代にニューウェーブとテクノポップに目覚め電子楽器にハマる。
その後、テクノとクラブにドハマりしクラブやフェス通いの合間、時折マシンライブやDJをおこなう。昨今はグルーヴボックスに加え、モジュラーシンセを楽しみ電子音楽を愛でる日々。産業系鉄道マニア。
今回グルボ好きが高じて、高幡さんに代わり707-1プロデュース。同じ音源で皆どのような音を奏でてくれるのかとても楽しみです。
Miho_s
使用機材:mc-101+α
東京都大田区出身。東京都大田区出身。
主にイラストレーターを生業とするも、コロナ禍の煽り
を受けて何となく仕事を失う。
趣味の音楽製作にかまけている内に、親族から
”空いている物件で面白い事をやってみろ”という
無茶な振りを受けて、Channel For Rentという多目的
レンタルスペースを運営する身となる。
LAWSONZ
使用機材:mc-707
テクノと宮崎を身近にして、テクノを宮崎特産にしたり、宮崎をテクノの街にするべく、テクノの普及活動をしてます。
une + ume
使用機材:mc-101+α
ガジェットシンセ大好きっ子 ”uneune” とネコ大好きっ子 ”VJ umeume” のユニット。MC-101+TouchDesignerでゆるりと空間を奏でます。
Mush
使用機材:mc-707
2023年よりMC-707を軸にしたマシンライブを始める
普段はYoutubeの個人チャンネルやマシンライブ/ライブコーディングパーティ「In_Synk」で活動中
KULARKs
使用機材:mc-707
現役トラックドライバーのトラックメーカー。
一切ウケないキャッチコピーを武器に
国内外のレーベルから楽曲リリース。
デトロイトテクノの洗礼を受け中古機材で勝負。足首骨折を期に自宅療養中にCGを始める。
音楽メディアSonoのCGデザイン担当。
副業で音楽制作、CG作品を手掛け人生逆転を目指している。
なかざわ
使用機材:mc-101+α
R社から出張で参加します。
MCには開発にも参加していたので、本当に嬉しいです!
今回はフレンチテクノのセットをやらせてもらうかと思っています。
Hiro Ikezawa
使用機材:mc-101+α
東京在住のトラックメイカー。モジュラーシンセと自作のiPadシーケンサーでハード・ダーク・インダストリアル・ノイジーなテクノを演奏。
MURASAME INDUSTRIAL RECORDS主催。猫大好き。
Sarufaromeo
使用機材:mc-101+α
テクノレーベル”PulseWave Records” レーベルオーナー、DJ、Producer 、Remixer。
これまでに国内外のレーベルより楽曲をリリースしており、beatportリリースチャート TOP 10 にも数曲ランクインしている。
ハードシンセマニアでもあり、
マシンライブも不定期だが出演している。
ライブではミニマムな機材をいかに使いこなすかをテーマにプレイしている。
高幡
琴古流尺八を吹いてそろそろ30年。どんな民族音楽も電子音楽と調和すると考えてシンセドラムマシン鳴らしながら尺八を吹くパフォーマンスをしている。
寂不異音主催だが、MC-707を所有していないので今回はお休み。
7/19(金)開催通常版Vol.16出演者:
Austur ウストゥル
糸電話の原理を応用した創作楽器アップライト・ストリングラフィを奏でる。
水嶋一江ストリングラフィ・アンサンブルのメンバーとして国内外で演奏活動を行った後、2013年よりソロでの活動を展開。
https://twitter.com/austur
ここう
95年頃よりDJを始める。ミニマルを中心にドラムンベース、ブレイクス等幅広い選曲でフロアに合わせたdjを得意とする。グルーヴボックスでの音遊びが好きでシンセサイザーイベント『二水』を早稲田茶箱で主催している。寂不異音ではdigitaktを使ったライブを披露予定。
YATARA
2020年より活動を開始。
エレクトロニカ/テクノ・ポップの楽曲を制作し、各音楽配信ストアより3枚のアルバムと3枚のシングルをリリース・配信中。
2024年は自身の楽曲にボーカルとEギター演奏を乗せたスタイルでのライブ活動を東京と沖縄で展開している。
楽曲は自身のこれまでのキャリアにより、変拍子や民族音楽が多く盛り込まれている。
昨年末よりギターシンセを導入し、電子楽器と共にインプロビゼーションのみでのLiveも展開している。
isei ben
音が干渉し合うことで生み出される調和に興味を持ち、都市空間に於けるサウンドデザインをテーマに活動。公共施設のジングル、CM曲、イベント曲の制作など都市域で奏でられる様々な音の制作を行なってきた。
高幡
今回は『マチモがらくた機材市』で物々交換したモジュールを試すべく実験。ランダム性の高いモジュールによる複雑な変化と尺八をどうマッチングさせられるか楽しみ。
会場の「Oriental Force」はどんなお店ですか?
高幡: 会場の「Oriental Force」は、民族音楽を取り入れたエクスペリメンタルノイズ系アーチストのOriental Loveさんが人生心機一転と1年ちょっと前にはじめられたお店です。
20人も入ればぎゅうぎゅうの空間で、店内内装は民族的でありサイケで、入れかわり様々なアーチストの作品が展示されており画廊でイベントをしている錯覚をうけます。
音響も素晴らしく、音色の探求にはとても向いたお店です。 是非、遊びに行っていただきたいと思います。
sonoで記事を読んでいる皆さんにメッセージをどうぞ!
高幡: 「寂不異音」は発見と交流のイベントです。 ライブ活動をされている方も、機材を家でいじっているだけの機材おじさんも、いつかは人前で演奏してみたいという方も、もちろん音楽を聴くのが大好きな方も刺激を受けること間違い無しのイベントと思っています。 是非遊びに来てください。ゆるやかに音に浸りながら「Oriental Force」の桃源郷コーヒーで一服しましょう。
会場アクセス
Oriental Force
〒166-0003 東京都杉並区高円寺南3丁目48−6 第8日東ビル
Website: https://oriental-force.com/