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【特集】S/N Vol.16 Ambient Edition - サウンドとノイズの境界を考える電子音楽イベント@Marco Nostalgy(大阪・内本町)

sonoに投稿されたイベントの中から注目のパーティー特集!

S/N

サウンドとノイズを音楽に取り込み、これまでにも多彩なゲストの方が出演されてきた電子音楽イベント「S/N」の第16回が、2024年6月22日に大阪のMarco Nostalgy(マルコノスタルジー)にて開催されます!
ライブだけではなくダンスやVJ、そして時にライブペインティングも入り、主宰のHirotoshi Hamakawa氏の言葉を借りると「複合的なエンターテインメント」と表現される「S/N」。エクスペリメンタルなサウンドインスタレーションから民族音楽的要素を取り入れたものまで様々な音の世界を楽しめるイベントで、今回は特にアンビエントにフィーチャーした内容になるとのこと。
当日はYouTubeでの生配信もされるそうですが、今回の見どころやご出演者の皆さんについてなどを詳しく伺いましたので要チェックを!

「S/N」はどのようなコンセプトのイベントですか?

Hirotoshi Hamakawa: 「S/N」は元々「ダムタイプ」という演劇と音楽とダンスがコラボしたアーティスト集団がやっていたイベントにリスペクトの意味合いを込めて名付けました。
小さい音をマイクで録って音源の音量を上げたらノイズの量が多くなるという話があって、そういうシグナルとノイズの比率のことを「S/N比」というんですけど、「音楽の中にノイズもちょっと含ませる」というコンセプトでやっているのがこの「S/N」というイベントです。
コロナ禍が落ち着いて以降は、大阪のMarco Nostalgyというお店で毎回開催しており、内容はマシンライブが多いですが、DJの方に入ってもらうこともあります。
今まではエクスペリメンタル等いろんなジャンルが混ざってることが多かったんですけど、今回からジャンルを毎回ある程度絞ろうかなという感じで、6月は「Ambient Edition」ということになりました。

今回の見どころを教えてください!

Hirotoshi Hamakawa: アンビエントというとシンセサイザーのイメージが強いですが、今回はガムランの音やトランペットなど幅広いアンビエントが素晴らしい映像とともに楽しめます。
また、ダンサーの佐久間新氏はガムランの舞踊家ですが、いろんなジャンルの人とコラボもしている方なので独特なダンスが楽しめると思います。

「S/N」の今までの歴史をお聞かせください。

Hirotoshi Hamakawa: 一番初めは2018年4月ですね。コロナ禍で一時期は開催できなかったんですが、今は2ヶ月に1回くらいのペースで続けています。
いろいろと長く音楽活動をしてきた中で、自分の抱いているイメージを実現させたいという思いで始めました。
複合的なエンターテインメントを目指しており、初期からVJやライブペイントを入れていて、途中からダンスも入るようになりました。ただ、今回はライブペイントをされる方の都合がつかず、ライブとVJとダンスという形での開催になります。

2023年10月15日に開催されたVol.13の配信

Hamakawaさんご自身も電子音楽をされており、ガムラングループにも所属していると伺いました。

Hirotoshi Hamakawa: はい。ガムランでは2000年にアルバムを出しています。
グループのメンバーは入れ替わったりしていますが、大体10数名くらいで活動しています。
ガムランはYMOの細野晴臣さんがアルバムにガムランの音楽を取り入れていたので興味を持ったんですが、大学時代に沖縄にいた頃、沖縄県立芸大の文化祭でガムランの演奏を実際に見て、その場で「入れさせてくれ」と言ってグループに入れさせてもらいました。
大阪に戻ってきてからも沖縄のグループのメンバーに「大阪にも(ガムラングループが)あるよ」と聞いて続けていた感じです。
実は仕事が忙しかったのでブランクがあったのですが、2016年に音楽活動を再開して、ガムランも2022年頃にもう一度始めて今に至っています。
楽曲作りに関しては、今はエレクトロニカ等の曲を作っています。
「S/N」では僕はパソコンの音源をクリックで聞きながらドラムを叩くスタイルが多いです。今回はガムランの音とルーパーを使ってライブしようかなと思っています。

出演者の方たちは、どういう繋がりで声をかけられるのですか?

Hirotoshi Hamakawa: 元々お知り合いの方や紹介だったり、あとは対バンでご一緒させてもらった方の他、全くお会いしたことのない方にTwitter等でオファーすることも実は多いですね。
京都・大阪・神戸周辺の方が多いですけど、過去には東京や福岡、岡山など各地から来てもらいました。
実は、sonoでも特集されていた「ナゴエレ」主催者のHouse Of Tapesさんに出演してもらったこともあるんですよ。

今回の出演者の皆さんについてご紹介いただけると嬉しいです。

Hirotoshi Hamakawa: Vol.16の出演者の皆様をご紹介します。

Live:—江崎將史/ezaki masafumi—
音を伴う行為。時に作曲。身の周りのものやトランペットなどを使用する。誰にでも出来る誰もやっていない事を見つける。
近年は炭酸水ソロ、ボールペンソロ、暮らしの手帖(日常品のサウンドテスト)や図鑑朗読などの”博物学的”パフォーマンスのシリーズやそれらをのmixを行っている。最新パフォーマンスは「テキ屋的」、「家鳴りを聴く会」。
動きを伴いながら空き瓶を吹奏するアキビンオオケストラを主宰。
popo/HOSE/対極/New Omm-pah/音遊びの会、などでの活動。グラタンカーニバルのサポートメンバー。石すもうのルールを発案する。

Live:—SOZEN OTSUBO—
SOZEN OTSUBO名義にてアーティストとして活動。
1999年 広島生まれ
2022年には新設中之島美術館に常設される現代彫刻家、ヤノベケンジ氏の作品「SHIP’S CAT」のテーマソング「Dawn」を手がけ、
同年12月にはアーティスト・イラストレーター、上田バロンの新プロジェクト「SPINYZ」のテーマソングを担当、
20周年特別展「EYES ON THE FUTURE AND PAST」にて発表した。
またStudy : 大阪関西国際芸術祭 2023 フリンジ会場や、NU茶屋町など様々なアートイベント会場でサウンドによる空間演出も行っている。
他メジャーインディー問わずミックスマスタリング業務を行っている。

Live:—Hirotoshi Hamakawa—
2000年に大阪を拠点に活動するジャワガムラングループであるダルマ・ブダヤのCDを発売。全6曲のうちの3曲の作曲を担当。
2016年に音楽活動を再開。デジタルとアナログが融和された楽曲が特徴。自身の楽曲にドラム演奏を被せたスタイルでのライブ活動を関西を拠点に展開。
各音楽配信サービスより3枚のアルバムをリリース。その他コンピレーションアルバムに多数参加。
S/N主催者。
https://linktr.ee/hirotoshihamakawa

Live:—Shinpal—
Shinpal名義で主にアンビエントをマイペースで制作。昨年、bandcampにあるAtlantea Recordsというインディレーベルから本名でアルバムAbstract Poetryをリリース。

Live:—Seisuke—
Seisuke (Trumpet & Effects Pedals)は大阪を拠点とするトランペット奏者。彼はエフェクトを駆使したアンビエント系の音楽で知られている。ポーランドの某電子楽器メーカーによって発見されて以降、世界各国のアーティストの楽曲に参加。また、自身の作品も米国や英国のラジオでオンエアされるなど、国際的に活動している。

Live:—KOMAGOME—
1996年8月23日生まれ。
大阪在住のサウンドアーティスト。
この世のあらゆる現象・事象を、身近な発見や興味から得られるインスピレーションを下に織り交ぜ、ドローン・アンビエントな作品づくりをしている。
またイラストレーターとして、「たまごのおしりあい」シリーズにて、キャラクターグッズも販売中。
好きな動物はくまとぺんぎん。
12歳でパーカッションを始める。また大阪芸術大学にて作曲を学ぶ。
在学中より電子音響音楽や現代音楽作品の制作を行い、2020年にアンビエント・ドローン作品の制作を開始。同年にアンビエントEP.「明日の命を詠む」をリリース。
現在まで多くのアルバムとEP.をリリースしている他、楽曲提供も行う等活動の幅を広げている。
また、2019年より作曲活動と同時に、パーカッショニストとしてライブ活動や、レッスン活動も精力的に行っている。

VJ:—shôto—
大学でカオス・フラクタルを数学として学び、コンピュータを用いたビジュアル表現を模索中

VJ:—Tamaki—
京都芸術大学でCG映像やインタラクティブアートなどのメディアアートを研究中

VJ:—H。T。—
関西で活動する映像クリエイター
VJとしてはタッチデザイナーでの映像演出で活動

Dance:—佐久間新/Shin Sakuma—
幼少の頃、臨床心理学者の父が自閉症児と研究室で転がり回っている姿を眺める。大阪大学文学部でガムランと出会いのめり込んで活動する。流れる水のように舞うジャワの舞踊家ベン・スハルト氏に出会い、自分のご先祖さまに会ったと確信する。その後、インドネシア芸術大学へ留学。舞踊家ウィヤンタリと出会いジャワで結婚。
帰国後、日本のガムラングループと活動する一方、様々なダンサーとのコラボレーションを開始。たんぽぽの家の障害者との出会い以降、即興ダンスとマイノリティの人たちとのダンスに傾注。
伝統舞踊におけるからだのありようを探求する中から「コラボ・即興・コミュニケーション」に関わるプロジェクトを展開。最近の活動に、振付作品「PATINA」(2018) OzAsia Festival Adelaide招聘、演出作品「だんだんたんぼに夜明かしカエル」(2019)、映像作品ディレクション「Teletari Odottari」(2021) Jakarta International Contemporary Dance Festival招聘、野村誠と砂連尾理との問題行動トリオin十和田市現代美術館(2021-2022)等。
HP https://shinsakuma.jimdofree.com

会場のMarco Nostalgyはどんなお店ですか?

Hirotoshi Hamakawa: Marco Nostalgyは大阪の谷町四丁目駅から歩いて2~3分ほどのところにあり、普段はダンスパーティーのようなイベントが多いお店です。
店長の方がダンスをされていて民族音楽好きでもあり、お店の中にはジャンベが山ほど置いてあります。だから民族音楽系のイベントも多くて、いかにも「ライブハウス」という感じではないですね。ジャンベは良いものが結構揃ってるので、自分も曲に合わせて即興でジャンベを叩くこともあります。
このスペースで電子音楽系のイベントをやっているのは僕くらいかもしれないですね。だけど、ドラムやギターアンプやベースアンプもあって、PA機材は結構ローの音が出るスピーカーが設置されています。
ダンスパーティーが開催できるくらいだからそこそこの広さがあり、ほの暗い中で演者に照明を当てて雰囲気のある演出ができる空間です。

sonoの読者の皆さんにメッセージをお願いします!

Hirotoshi Hamakawa: 今後もいろんなジャンルのアーティストとともにお届けしますので、是非とも足をお運びいただければと思います。また、出演者も随時募集しております。

会場アクセス

Marco Nostalgy(マルコノスタルジー)
〒540-0026 大阪府大阪市中央区内本町1丁目3−9 奥の階段下る 内本町中央ビル B1
Website: https://www.nostalgy.info/

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