こんにちは、のまにです。
今回は私が小学生~中学生ごろにケーブルテレビ局のカートゥーンネットワークで見た、「バッグスバニー」や「トムとジェリー」のような短編アニメに使われた、「カートゥーンミュージック」という言葉でくくれると思う、音楽・音楽家の紹介の回です。
まずは“カートゥーンミュージックの父(と勝手に私が命名…笑)”に図らずもなったRaymond Scott (1908-1994) を紹介します。
彼はRaymond Scott Quintette という楽団を率いて“ジャズ”を演奏していました。実際はクインテットという言葉通りの人数の楽団ではなくSextetでしたが、“言葉よりも音楽に耳を傾けて欲しかったから“という理由でQuintetteを名乗ったようです(苦笑)。また、彼の名前は芸名なのですが、その名前も電話帳から”響き“が良いという理由で決めたそうです。そんな人数と違う言葉の表記や自身の名前も”響き“重視で決めた彼の作曲した楽曲の名前は「Powerhouse」(発電所)や「Boy Scout in Switzerland」(スイスのボーイスカウト)、「The Toy Trumpet」など面白いものが多いです。
このScottの「ジャズ時代」の音楽は後にワーナー・ブラザーズの「merrie melodies」、「looney tunes」(ちなみに「ルーニーチューンズ」という名前はディズニーの「Silly Symphonies」(馬鹿げた交響楽)というアニメシリーズをもじったもの)というカートゥーンシリーズで使用されるようになります。
詳細はうろ覚えですが、ワーナーが楽曲の権利をScottから買ったようです。なぜ権利をScottは売ったかというと、Scottは電子楽器を作れるくらいの腕をもっていて、その機材などを作る(!)費用に充てたようなのです。
Scottの「電子音楽時代」の楽曲に「Cindy Electronium」、アルバムには「soothing sounds for baby」などがあります。
次にScottの“ジャズ”を「カートゥーンミュージック」に仕立てたCarl Stalling (1891-1974)を簡単に紹介します。
彼はワーナー・ブラザーズの「メリーメロディーズ」、「ルーニーチューンズ」で音楽を担当していた方です。それ以前はディズニーのアニメ―ション(上記のシリーシンフォニーズ)にも音楽をつけたようです。
彼はワーナーがScottから買い取った音楽をアニメ内で引用、抜粋などして使用しました。ではなぜScottの音楽だったかというと、経費削減(音楽の使用料を払わないですむため)が一つの理由だそうです。Stallingの楽曲使用により今では「カートゥーンジャズ」として知られるScottの曲ですが作曲したScott本人はそのアニメを見なかったとか…。
ここではStalling の担当した音楽を集めたアルバムのジャケットとそこからの曲を紹介します。
ここから先はカートゥーンだけでなくアニメーションつながりで活躍していた、あるいは現役の紹介したい方たちを、アーティスト名とYouTube動画、その他参考になりそうな(あるいは参考にした)URLを意外とWikipediaなどに日本語でまとめてくれてあったので、貼っていきたいと思います。
Scott Bradley(1891-1977) MGMで「トムとジェリー」などの音楽を担当した方。
Alf Clausen (1941-) 「ザ・シンプソンズ」の音楽を担当していた方。(有名なテーマ曲の作曲はDanny Elfmanです。)私は彼をYouTubeで見つけたのであまり詳しくないですが、「The Land of Chocolate」をどうしても紹介したかったのでねじ込みました。ご了承ください(笑)
Kristofer Maddigan – クラシック・ジャズ界でパーカッショニストとして活躍しているこの方はゲーム、カップヘッド(Cup Head)にカートゥーンジャズ的な音楽をつけた方。この方もSNSなどを経由して知りました。レトロな感じがとてもいいです。Scott的な音楽です。
参考文献
「The Music of Raymond Scott -Reckless Nights and Turkish Twillight」(CK65672)ライナーノーツ
「The Carl Stalling Project – Music from Warner Bros. Cartoons 1936-1958」(9 26027-2)ライナーノーツ
参考URL
Luluby for human-being; The Music of Raymond Scott (12kai.com)