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美女ジャケハンター第53回 ジャケも曲もスパイシーな「美女ジャケ」


      

私が所有している美女がジャケットに映ったレコード、通称「美女ジャケ」を毎週捕獲(購入)した順番にご紹介しています。
今週は順番をシャッフルしてモンスーンの「Third Eye」をご紹介します。

      

◆「Third Eye」について

Monsoonの「Third Eye」(1983年リリース)
1. Wings Of The Dawn (Prem Kavita)
2. Tomorrow Never Knows
3. Third Eye And Tikka T.V.
4. Eyes
5. Shakti (The Meaning Of Within)
6. Ever So Lonely
7. You Can’t Take Me With You 3:04
8. And I You
9. Kashmir
10. Watchers Of The Night

エスニック・ニューウェーブバンド、モンスーンの作品です。
リリース前に、バンドの音楽的方向性に対するレコード会社の圧力で解散しているため、幻の作品とも言えます。解散後はボーカルのシーラ・チャンドラ名義でソロ活動を始め、モンスーンのメンバーが携わっていたようです。

本作品は、ビートルズがインドへ傾倒していた時期の名曲「M2. Tomorrow Never Knows」、エレクトリックシンセと空間的なシタールが融合した「M6. Ever So Lonely」、ドラマティックなインストルメンタル曲「M9. Kashmir」など、全面的にタブラやシタールを用いたスパイシーさと、シーラ・チャンドラのエキゾチックなヴォーカルが見事に融合し、ボリウッドサウンドとはまた違った新世代ラーガサウンドが楽しめます。

まだ「ワールドミュージック」という言葉が確立していなかった80年代の英国ポップにおいて、いち早くインドの伝統音楽を取り入れた彼らのアジアン・フュージョン・サウンドは、後に英国でも大きな潮流を作る、バングラ・ビートやコーナーショップ、アイジアン・ダブ・ファンデーションといったUKエイジアンの先駆者ともいえる重要な1枚です。

◆「Third Eye」と私

↑我が家の「Third Eye」は多少の経年劣化はありますが、まだまだ覗き見る美女を拝める状態です。

いつだったかSNSをダラダラ眺めていた際に、このジャケットの写真が目に飛び込んできました。最高の美女ジャケ……しかもインド確定じゃないか!
ワールドミュージックを座学で学びに行く程、ムード音楽と同じぐらいワールドミュージックが大好きな私。必殺盤ならぬ必須盤だと意気込み通販サイトで確認した所、既に売り切れ。悔しい思いをしました。

基本的に知らない作品は、ジャケットを見て「ピン!」ときたら音源確認をして捕獲する運びなので、無いとなると音源は聞かない。捕獲スイッチが入ってしまうので。売り切れとなれば忘れる他ないと、しばらく過ごしていました。

半年後、渋谷のレコードショップでワールドミュージックのコーナーを漁っていたところ発見。40分程レコードを抜いては戻す作業を繰り返していたので、抜いて「Third Eye」が出てきた時には驚きすぎて少々声が出ました。
(レコードショップでは一喜一憂しがちな筆者です笑)
1500円程で悩みましたが、この出会いを逃すと次はないと思い音源チェックをせずに捕獲しました。

帰宅後、レコードに針を置いてみると……

やっぱりカレーは食べたくなります笑
しかし、ただカレーが食べたい訳じゃない。トラッドぽさや土着感はあるんですが、サウンドが今時でオシャレさが要所に散りばめられているのです。

「私=ムード音楽の人」が定着させたい為、ロングセット以外のDJの際はムード音楽やジャズ以外をあまり流さないようにしていますが、ひょっとしてコレは紛れ込ませられるのでは?と思いチャレンジ。結果、そこまでインドじゃなかった。驚くほど馴染むじゃないですか!
ハイライフなど、ジャズが香る他のワールドミュージックたちの前後で流すと、非常に相性がいいのです。
私が普段長時間プレイしている、日本酒をメインに取り扱ったオシャレな居酒屋さんでプレイもしましたが「ウチはカレー屋じゃねぇ!」と怒られるどころか、オーナーさんがジャケットの写真を撮りに来られる程、問題なし。意外とどんな場所でもマッチする、恐るべしラーガサウンド、参りました。最近お気に入りでよくDJプレイ時に使用しています。

サブスクリプションでもお聞きいただけます。
この作品を聞いていると「M2. Tomorrow Never Knows」のカバーがこれほどしっくりくるアーティストはいない、なんならオリジナル曲なのか?ぐらいに感じてしまいます。皆さんも是非聞いて、ちょっとだけ脳裏にカレーをよぎらせてみて下さい。

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