私が所有している美女がジャケットに映ったレコード『通称:美女ジャケ』を紹介しています。
今回はThe Sound of Feelingの『Spleen』をご紹介します。
◆『Spleen』について

Sound of Feeling『Spleen』(1969年リリース)
- Hurdy Gurdy Man
- Hex
- Up Into Silence
- The Time Has Come For Silence
- Along Came Sam (The Morning of the Mutations)
- The Sound of Silence
- Spleen
- Mixolydian Mode (From The Microcosmos, Book II)
1960年代末のUSスタジオ・サイケデリック・シーンにおける極めて異質な『変わり種』であり、現代のレアグルーヴやオブスキュア・ポップの愛好家からも熱い視線を集めるカルト的な名盤。
ジャズ、ソフトロック、アシッド・フォークが奇跡的なバランスで混ざり合った本作の魅力は、ジャケットに写る美女、双子の姉妹であるアリス・アンドレスとレイ・アンドレスによる神秘的なボーカルです。歌声は単なるメロディの枠組みを超え、音響の一部として繊細さを残しながらも溶け込んでいます。
2人のハーモニーやスキャットに電子音やジャジーなバンド編成が乗ることで冷徹な実験音楽には陥らない、どこまでも優美で幽玄な世界観を構築しています。
注目すべきはメンバー全員が『微分音理論』を習得していた事で、半音よりもさらに細分化された音程を扱うこの理論を背景に既存の和声ルールに縛られることなく音作りを徹底的に探求。単なるサイケデリック・ポップの枠に収まらない、文学や現代音楽の理論、そして当時の最新技術であったモーグ・シンセサイザーの導入など、非常に学術的な側面を持ち合わせています。
心地よいサイケ・ポップでありながら、その裏に潜む緻密な構造を知ることで、より一層その深淵な魅力に引き込まれる1枚です。
◆ 『Spleen』と私

レコードショップのSNSで見かけ、おどろおどろしくもどこか美しいジャケットに一目で心を奪われました。さっそくサブスクリプションで試聴してみると、そのビジュアルを良い意味で裏切るジャジーなサウンドに深い衝撃!すぐに通販サイトへアクセスしたものの、時すでに遅し。試聴していたわずか10分ほどの差で、惜しくも逃してしまいました。
それから2年が経ったある日のこと。
飲食店の順番待ちの合間に、ふらりと立ち寄ったレコードショップで思いがけず再会しました。まさかそんな場所で出会えるとは思ってもみなかったため拍子抜けしましたが、驚いたことに当時見かけた価格よりも2,000円ほど安く手に入ることが判明。盤面の状態も良好で、今度こそ念願の『捕獲』に成功しました。
少々フリージャズの薫りも漂う本作は、コラージュDJをしている私にとって非常に重宝する1枚。
通常のDJプレイの際にも、バート・バカラックの『自由への道』から『M2.Hex』へと繋ぐことで、フロアの空気をガラリと変える絶妙なスパイスになってくれます。
また、サイモン&ガーファンクルのカバーである『M6.The Sound of Silence』は、本家を超えた切なさを湛えており、静まり返った夜の情景がありありと浮かぶようで深く胸に刺さります。ただ、ビートが少ないミニマルなアレンジゆえに、現在は自宅での鑑賞用にとどまっているのが現状です。この素晴らしいアレンジを多くの人に伝えるために、どのようにフロアで流すべきか模索している最中です。
サブスクリプションサービスでもお聞きいただけますが、Spotifyはこのレコードに収録されていない1曲のみ。
Apple Musicだと6曲目〜13曲目を聞いていただけると同じ内容がお楽しみいただけます。
Apple Music URL:
https://music.apple.com/jp/album/up-into-silence/426231451
今夜みたいなストロベリームーン(満月)にぴったりの神秘的な時間を過ごせるのではないでしょうか。