• このサントラ、ちょっとレア。

このサントラ、ちょっとレア。第60回 ビートルズのサントラネタをまたまたキリバンで紹介する件(祝60回)

レアとおぼしきサントラを勝手気ままに紹介していく『このサントラ、ちょっとレア。』志田一穂が、今回もご案内させていただきます。

さて、今回は区切りの良い60回目ということで恒例ビートルズネタですね。それにしても相変わらずビートルズ・ソングというのは映画にお似合いというかなんというか、気がつけば「あれ、また!」というノリで登場してくるのでサントラ・ハンターとしてはうれしい限り。今回は比較的最近作で使われたビートルズ・ソングたちを紹介してこうと思っております。

まずはロバート・ゼメキス監督の2024年に公開された異色作にして大傑作『HERE 時を越えて』です。主人公のリチャード(トム・ハンクス)とマーガレット(ロビン・ライト)が結婚式を挙げるシーンでささやかに流れるのが「All My Loving」ですね。1964年の初期ビートルズ、セカンドアルバムの「with the Beatles」に収録されていて大人気曲ではありますが、意外なことにアメリカとイギリスではシングルカットされていないという、実は隠れた名曲だったりするんですね。(日本ではシングル・リリースされました)

しかしですね、『HERE 時を越えて』はヒッチコック的技巧派の正当後継者であるゼメキス監督の意欲作で是非見ていただきたい作品です。ある家の中に定点カメラが置かれ、そこから見える様々な人や街や地球の歴史がアトランダムに繰り広げられていくという、やっぱり『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズや『フォレスト・ガンプ』などを放出した監督はやることが違いますね。

お次は2019年の『ジョジョ・ラビット』です。監督は『マイティ・ソー/バトル・ロイヤル』(2017)や『ソー/ラブ&サンダー』(2022)などマーベル・シネマティック・ユニバース作品でもメガホンをとるばかりか俳優としても参加しているタイカ・ワイティティですね。この方、母方の家系がロシア系ユダヤ人で、ヨーロッパの血が流れており、だからこそこの『ジョジョ・ラビット』という、第二次世界大戦禍のドイツを舞台とした題材で、満を持してのアプローチにトライしたのかなと。主人公、ジョジョ役の10歳の少年ローマン・グリフィン・デイヴィスくんの名演が光る本作ですが、ここにもひょんなところでビートルズの曲が引用されていてハッとさせられるのです。

楽曲は「Komm, gib mir deine Hand」。え?え?なにそれ、知らないよ!という声が聞こえてきますね。これ実は、あの「抱きしめたい」のドイツ語バージョンの曲名なんです。そう、「I Want To Hold Your Hand」ですよ。これが西ドイツとオーストリアでシングル・リリースされていたんですね。そんなレア曲を映画に引用してくるとは、ワイティティもさすがMCUでよろしく活躍しているアーティスト、にくいとこ突いてくるというものです。

もう一作は今年2026年公開の最新作『プロジェクト・へイル・メアリー』ですね。我らがライアン・ゴズリングの製作・主演作ということで楽しみにして観にいきましたが、やっぱり相当面白かった作品。地球滅亡の危機を救うため単身宇宙へ乗り込む…なんてハナシはいくらでもあるとは言え、本作はかなり変化球の連続で、宇宙の果てでエイリアンとともに解決策を探していくだなんて、やっぱり相当練りに練られたSF大作。紆余曲折の末、自分の研究成果を探査船で地球に送るライアンなのですが、そこで流れるのがビートルズの「Two Of Us」なんです。

この曲が流れる意味というか、伏線から着地する流れがまた面白いのでそのあたりはネタバレになるから言いませんが、とにかくこれ、うまくまたビートルズを使ってくれやがったなぁ~と劇場で観ていてうれしくなってしまいました。「Two Of Us」はリリース上の最終作といういわくつきのアルバム「Let It Be」のオープニングを飾るアコースティック・ナンバー。ポールとジョンのデュオがこれほどまでに美しく響く曲はなかったなとほれぼれしてしまう、ビートルズ晩年とは思えない名曲です。これがまた宇宙に響くのがイイんですよね!あ、これぐらいにしとかないとこれから観る人に怒られちゃう。とにかくオススメです。

というわけで区切り良き第60回目、恒例ビートルズ・サントラネタをまたまたお送りいたしました。いやしかし60回ですか。なかなか続いていくものですねぇネタも尽きずに。当初はかなりラインアップしてネタを絶やさないようにとスタンバイしながら挑んでいたのですが、やつぱり映画ってどんどん新作が公開されますから、いちいちその新作たちのサントラにも、気になるレアものが散りばめられているんですよね。そんなものまで追っかけていくとまぁ確かにネタは尽きないなと。でも前にも言いましたけどね、これどなたか書籍化してくれませんか?映画を楽しむ、映画音楽も楽しむという、ニッチだけどなかなか面白い映画の手引書になると思ってるんですがね。ダメかなぁ(笑)

では、またカッキンで。次回のビートルズネタは第70回目までおあずけです!

志田一穂がジョニー志田名義でお送りしている湘南ビーチFM『seaside theatre』こちらは毎週土曜20時からOA中。是非聴いてください。湘南ビーチFM | Shonan BeachFM 78.9

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